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早期胃がんを切らずに治す ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

胃がんの標準治療が手術療法であることは今も昔も変わりません。しかし近年の内視鏡治療の進歩により、粘膜内にとどまる早期胃がんであれば内視鏡的に切除できる可能性が出てきました。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と言う方法で、内視鏡の先端から針状の電気メスを出して、腫瘍の下を少しずつ剥離して行くというものです(図1)。

図1

図1

治療対象はガイドライン上の制約があり、腫瘍の深さが粘膜内にとどまる早期胃がんで、大きさは20mm以内、分化型腺がんで潰瘍を伴わないものとされております。すなわち、がん細胞が胃粘膜の表面にとどまっていて、浸潤傾向のないということが大前提となります。技術的にはもっと大きい病変の切除も可能なのですが、外科手術と異なり周囲のリンパ節廓清が出来ない事もあり、統計上リンパ節転移の可能性の非常に低い病変がESDの治療対象となっております。

図2早期胃がんを切らずに治す ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

図2

胃壁は大きく分けて粘膜層・粘膜下層・固有筋層そして漿膜に分けられます。がんが一番表面の粘膜層にとどまっていれば、リンパ節転移の可能性はほとんどないことが判っているので、その下の粘膜下層を削って行くことになります(図2)。

因に、その下の固有筋層を削ると簡単に裂けて胃に穴が開いてしまいます。この粘膜下層は網の目の様に血管が走っており、そのため術中術後の出血が若干多いという難点はありますが、この方法で上手く行けば胃を切らずに済み、1週間前後の入院で済むというメリットは非常に魅力的ではあります(図3)。

図3

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2016年5月20日更新