後期臨床研修医採用情報

後期臨床研修医

内科研修プログラム

研修の概要

■研修対象者
①前期臨床研修を修了した医師で、内科を専修科に希望し、内科医としての実力をつけたい者。
②内科専門医、および各領域の専門医をめざす者。
■研修期間
2年間とする。
■研修終了後の進路
研修終了後は、可能な限り相談に応じる。
■研修システム
・各研修医は、循環器・呼吸器系、消化器系、内分泌・代謝系、免疫・血液系、神経系の各分野およびターミナルケアにわたって、各指導医のもと10~15人の入院患者を受け持ち診療にあたる。そして退院されたのちも、責任を持って外来フォローするものとする。
・死亡例には、剖検により病因の解明に努める。
・救急外来診療については、スタッフ当直医の指導のもと、副直医として携わる。
・内科医として広い知識と練磨された技能、信頼される人間性を備えた臨床医を目指すための研修を目的とする。

■各科研修システムの特徴
①当院は内科学会教育病院であるため、2年間の初期臨床研修修了者は当科での1年以上の臨床研修により、認定内科医の受験資格を得ることができる。
②専門領域に細分化することなく総合内科の体制をひくため、幅広い疾患に対応する診療能力を身に付けるとともに、各領域の専門家の指導を受け、高度な専門医療の研修もできる。
③地域の2次救急医療を担当し、24時間体制で外科系とも連携をとりながら救急患者を受け入れているため、プライマリケアから緊急手術を必要とする症例まで、幅広い疾患に対応する能力が身に付く。
④病理解剖を重視しており、年間25例以上の病理解剖を病理医および指導医のもとで経験し、死亡に至った病態の過程を正確に理解し、反省し医療の質の向上を常に目指していく。
■内科指導体制の概要
①プログラム責任者 神戸百年記念病院長 楠 徳朗
②内科学会が定める、認定内科医カリキュラムに沿って内科診察の基本的な態度・姿勢からプライマリケアおよび消化器系、循環器・呼吸器系、内分泌・免疫・血液系の各領域での入院患者の受け持ちと検査技術の習得を目指す。
③2年間を基本とするが、更に3年間延長して内科専門医の取得もしくは各領域の専門医を目指すことが可能。
④研修期間を通じて、救急医療と病理解剖への参加は必須とする。

教育に関する院内行事

■院内研究発表会
1年間2回、統一テーマのもとに院内各部門から発表し、質疑応答する。
■夏期講座
7月、8月の夏期期間中に、全医療従事者を対象にシリーズで勉強会をする。
■臨床病理検討会(CPC)
毎月当院病理医が主催し開催する。
■病診連携研修会
兵庫区医師会および地域病院との連携で年間4回開催する。
■各診療科別カンファレンスおよび診療科合同カンファレンス

内科臨床研修の到達目標

一般内科

<基本目標>

基本的な診療手技や知識およびプライマリケアと救急医療を学ぶとともに医師 としてふさわしい診療態度や倫理観を養い、コメディカルらと協力してのチーム 医療において、医師としての責任と義務を果たすことにより、患者および家族か ら信頼される医師となることを学ぶ。その上で、臨床医として多様な患者のニー ズに対応できるように、基本的な診療に関する疾患の知識、技能および態度を養 う。さらに、将来内科を標榜する医師については、必要な各分野にわたる疾患を 広く経験していくことで、確かな診療技術と知識を体得するとともに、豊かな人 間性を陶治し、研修終了後に認定内科医となりうる能力を身に付けることを目標 とする。

<内科総論>

■救急処置法
■末期医療
■患者・家族との関係
■医療の社会的側面
■文書の記録:診療録、処方箋、診断書、紹介状と返書
■診療計画、評価、剖検
■基本的な内科疾患の病態の理解と対応
(a)内科における頻度の高い疾患の病態を理解し、診断と治療ができる。
(高血圧症、虚血性心疾患、脳血管障害、糖尿病、胃潰瘍、感染症)
(b)内科救急疾患の初期診察ができる。
(c)生活習慣病のリスク因子を理解し、指導ができる。
(d)内科における悪性腫瘍の診断、治療、全人的な患者ケアができる。
(e)老人の生理、代謝、精神面の特徴を知ったうえで老齢疾患の治療ができる。

<内科各論>

■循環器・呼吸器系
■消化器系
■免疫・血液・代謝・内分泌系

<教育カンファレンス>

  • ①入退院患者プレゼンテーション、死亡退院報告、症例検討会(月曜PM5:00~PM6:30)
  • ②外科との合同カンファレンス(火曜PM6:00~PM7:00)
  • ③消化器カンファレンス(月曜PM7:00~PM8:00)
  • ④循環器・呼吸器カンファレンス(火曜PM8:00~PM9:00)
  • ⑤免疫内分泌カンファレンス(木曜PM5:30~PM7:00)
  • ⑥CPC(偶数月の第4木曜日PM5:30~PM7:30)

循環器、呼吸器系

<基本目標>

生命維持に最も重要な臓器である心肺血管系を対象とし、急性期循環器疾患に対する種々検査を理解習得し、正確かつ速やかな病態の把握と診断ならびに治療方針を決定する能力を養う。

<検査、診断法>

■一般検査および基本手技
(a)心電図、ホルター心電図、運動負荷心電図(マスター負荷)、肺機能検査
(b)救急蘇生法(気管内挿管、心マッサージ、電気的除細動)
(c)中心静脈圧測定、胸腔穿刺、中心静脈栄養法(鎖骨下静脈、内頚静脈、大腿静脈)
■特殊検査および特殊手技
(a)トレッドミル運動負荷試験
(b)心エコー法(ドップラーエコーを含む)
(c)経食道心エコー検査
(d)頚動脈エコー検査
(e)核医学的検査、心筋血流シンチグラフィ(安静、運動負荷、薬物負荷)、
  心筋脂肪酸代謝シンチグラフィ、心臓交感神経イメージング、肺換気、血流シンチグラフィ
(f)心臓カテーテル検査:スワンガンツカテーテル、心臓ペーシング
(g)気管支鏡検査(気管支肺胞洗浄、経気管支肺生検)
(h)心嚢穿刺、胸腔ドレナージ

<治療>

■一般治療
(a)強心薬、利尿薬、抗不整脈薬、降圧薬、血管拡張剤の病態による使い分け
(b)心不全の血行動態モニター下での治療
(c)喘息患者に対する、気管支拡張剤および吸入ステロイド剤の適切な使用
(d)肺癌患者での集学的治療
(e)人工呼吸器による呼吸管理
(f)心筋梗塞後および呼吸不全患者のリハビリテーション
■特殊治療
(a) 血栓溶解療法
(b) ペースメーカー埋め込み

消化器系

<基本目標>

消化器疾患の診断と治療に必要な基本的知識を身につけ、患者に苦痛を与えることなく検査を施行できる技術を習熟する。また緊急処置を必要とする症例では、チーム医療における自分の役割を判断し確実に果たす。

<検査、診断法>

■一般検査および基本手技
(a)血液生化学検査、腫瘍マーカー、ウイルス学的検査、負荷試験の理解
(b)腹部単純X線、CT、造影X線検査(胃透視、DIC)の読影および施行
(c)腹部超音波検査
(d)腹腔穿刺、性状の理解
■特殊検査および特殊手技
(a)上部消化管内視鏡検査
(b)下部消化管X線検査および内視鏡検査
(c)超音波ガイド下肝生検
■上記検査習熟の後、以下の検査
(a)下部消化管内視鏡検査、内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(ERCP)
(b)経皮経肝胆管造影検査(PTC)

<治療>

■一般治療
(a)症状に応じた的確な薬物療法
(b)輸液管理、IVH手技およびその管理
(c)胃管の挿入と管理、経腸栄養の選択と管理
(d)食事療法の指導
■特殊治療(その目的、手技を理解し適応を決定できる)
(a)消化管出血に対する治療(エタノール、HSE注入、クリップによる止血)
(b)食道静脈瘤の処置(EVL,EIS)
(c)胃、大腸隆起性病変の治療(Polypectomy)
(d)内視鏡的乳頭切開術(EST)
(e)閉塞性黄疸の減黄処置(PTCD、ERBD)
(f)肝癌に対する治療(TAE、動注、PEIT)

免疫・血液・代謝・内分泌系

<基本目標>

免疫、血液、代謝、内分泌疾患を診療するにあたり、免疫、血液、代謝および内分泌系の基本的なシステムの理解に基づいて、これら疾患の複雑な病態を可能な限り詳細に把握し、理論的なアプローチで診断、治療をしていく姿勢を身につけること。

また、比較的長期にわたる治療が必要なため、医師患者間に信頼関係と精神的なサポートが重要であり、これら両面の習得を目標とする。

<自己免疫疾患の診断と治療>

■検査法、手技
(a)正確な病歴の聴取、全身の関節所見、皮膚所見および身体症状のチェック
(b)熱型の観察、レントゲンによる関節変化の評価
(c)各種自己抗体、補体、免疫複合体の結果の解釈
(d)滑膜、唾液腺、腎などの生検と病理所見の検討
■治療
(a)非ステロイド系抗炎症剤の使い方
(b)ステロイド療法(パルス療法、投与量と期間、その後の減量の方法)
(c)免疫抑制剤、免疫調節薬の使い方、副作用の予防と対策、体外循環療法
(d)日常生活指導と精神面でのケア

<血液疾患の診断と治療>

■検査法、手技
(a)末梢血塗抹標本の観察、血球の理解、骨髄穿刺(胸骨、腸骨)、骨髄生検
(b)血液細胞表面マーカー、染色体分析の解釈
(c)免疫電気泳動、血液凝固線溶系、血小板機能検査、溶血試験、鉄代謝
■治療法
(a)輸血(成分輸血)の効果的な使用
(b)化学療法剤の使用と支持療法(腸内細菌、感染予防、輸血、アイソレーション)
(c)DICの治療、各種細胞増殖因子の適切な使用
(d)造血幹細胞移植(末消血幹細胞採取、保存、輸血)

<カルシウム代謝、骨代謝>

■検査方法
(a)骨粗鬆症:胸腰椎レントゲン、骨密度検査(DEXA)、血液尿生化学検査
(b)高カルシウム血症:PTH、PTHrpの測定と解釈
(c)低カルシウム血症:PTH、VitDの異常、Ellsworth-Howard試験
■治療法
(a)骨粗鬆症の食事療法、運動療法、薬物療法(VD、HRT、ビスフォスフォネート)
(b)高カルシウム血症:輸液、利尿、カルシトニン、ステロイド、ビスフォスフォネート

<糖尿病の診断と治療>

■検査方法
(a)一般的検査の理解:75gOGTT、血中、尿中Cペプチド、糖化ヘモグロビン自己抗体
(ICA、ICSA、抗GAD抗体、抗インスリン受容体抗体)
(b)合併症の診断:眼底検査、尿中微量アルブミン、神経伝達速度、R-R間隔、振動覚、サーモグラフィー、脈波
■治療法
(a)食事療法(必要カロリー量の把握と治療)
(b)運動療法(合併症の有無のチェックと運動処方箋の発行)
(c)経口血糖降下剤での治療(機序の異なる薬剤の使い分けの習熟)
(d)インスリン治療(適切な単位数の決定、必要ならインスリン強化療法)
(e)低血糖症状の診断と早急な処置
(f)糖尿病性昏睡の病態把握と早急な処置
(g)感染症合併や手術時のインスリンコントロール、血管合併症、腎症の対応

<内分泌疾患の診断と治療>

■検査、診断
(a)間脳下垂体系:前葉機能検査、後葉機能検査の立案と実施、判定
  画像診断(トルコ鞍撮影、CT、MRI)
(b)副腎系:副腎皮質ステロイド、副腎髄質カテコラミンの合成、分泌の理解
  画像診断(CT、RI)、選択的副腎静脈サンプリング
(c)甲状腺疾患:甲状腺ホルモン、自己抗体の理解、画像診断(RI、CT)吸引細胞診
■治療法
(a)間脳下垂体系:下垂体腺腫摘出術の理解と適応判定、機能低下症に対する補充療法、
  機能亢進に対する薬物での抑制
(b)副腎系:機能低下症に対する補充療法、機能亢進に対する薬物での抑制
(c)甲状腺疾患:抗甲状腺剤、アイソトープ治療、手術治療の理解と選択、
  甲状腺ホルモンの補充療法