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ARMS(内視鏡的逆流防止粘膜切除術)

胃食道逆流症に対する新しい治療法

胃食道逆流症治療の第一選択は胃酸を抑える薬物による治療です。しかし、胃食道逆流症は再発率が高く、内服を中止すると再発することが多いため、多くの患者さんが長期にわたって薬を服用し続ける必要があります。また、この薬が無効である人も少なくありません。 効果が乏しい場合には、外科手術が推奨されてきましたが、近年、内視鏡による逆流防止を行う「内視鏡的逆流防止粘膜切除術(Anti-reflux Mucosectomy:ARMS)」という治療法が開発されました。 ARMSは、緩んだ噴門部を内視鏡的に再形成することにより逆流を防止する治療法です。

ARMSの流れ

内視鏡を用いて緩んだ噴門部の粘膜を切除し人工的に潰瘍を形成します。治療効果は、人工的な潰瘍が治癒し、瘢痕収縮した後(術後約1、2か月)に現れます。

  1. 切除する範囲の粘膜下層に薬剤を注入し盛り上げます。
  2. ワイヤーや電気メスを使いその粘膜を切除します。
  3. 形成された潰瘍が治癒する過程で瘢痕収縮することにより、緩んだ噴門部が引き締められます。
2. ワイヤーでしめて粘膜を切除する

ARMSの治療効果

治療効果については、患者さんの約半数が胃酸を抑える薬の服用を中止することができました。残る半数の患者さんも薬の服用を続けていますが、ほとんどのケースで症状が改善されています。この改善効果は持続的であり、3年以上経過しても改善が続く患者さんが多く報告されています。
ただし、逆に噴門が締まりすぎて一過性に狭窄をきたしたりARMSの治療効果が不十分であり、薬の継続や追加治療が必要になることもあります。
どのような治療法(薬物治療、内視鏡治療、外科手術)でも、うまく治療効果が上がらない場合はあり得ますが、その場合も症状が少しでも緩和するよう総合的に対応します。

医師紹介

消化器内科 部長、消化器内視鏡センター長
森主 達夫 (Tatsuo Morinushi)

総合内科、消化器センター、消化器内視鏡センター、消化器内科

ドクターズ・インタビュー

専門・得意分野 内科、消化器内科、消化器内視鏡
略歴 平成19年3月 東京医科歯科大学医学部 卒業
資格・免許 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医・指導医
所属学会など 日本内科学会
日本消化器学会
日本消化器内視鏡学会

ストーリー

1982年生まれ。出身は神戸です。東京医科歯科大学卒業後、東京医科歯科大学の消化器内科に入局。神奈川県の中核病院で消化器内科医として4年間研修し、消化器内科の基礎を勉強する中、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)に出会いました。

ESD(早期消化癌の内視鏡切除術)との出会いと決意

手術と違い、がんを中からくりぬいて切除するので、臓器が温存され後遺症がない。しかしながら、高度な診断や技術を必要するため病院や施行医によってかなりレベルの差があり、本来内視鏡で切除できるのに、診断や技術が未熟で手術に回るような症例を目の当たりにしてきました。内視鏡で後遺症なく切除してあげられるものは困難例であろうが自分で切除してあげられるようになるため、ESDの専門病院で研修することを決意しました。

ESDで全国的に有名な佐久総合病院(佐久医療センター)に移り、ESDの基礎を勉強しました。

実践経験による研鑽を重ねる

千葉房総半島の中核病院である亀田総合病院では、年間で300例のESD症例数があり、佐久総合病院で学んだことを実践し、症例を多数経験、学会・論文発表も多数行いました。

大腸ESDはESDの中でも高度な技術を要し、その大腸ESDの症例数が日本一多いNTT東日本関東病院では、大腸ESDの技術を学びました。

困難症例と正確性への挑戦

故郷である神戸に帰ってからも、県内でも有数のESD件数をこなし、全周性の病変や瘢痕上の病変など困難例も行いました。また内視鏡によるESDと腹腔鏡下での切除を併用するLECSも施行しています。

困難例含めこれまで500例以上経験してきました。100%近い一括切除率、1%未満の穿孔率(一般的には3~5%)で、安全性を保ちながら確実性の高い治療をこころがけています。これまでの経験を活かし、ここ神戸で苦痛のない質の高い内視鏡検査・治療で患者様に貢献できるよう頑張りたいと思います。

9cm大の早期大腸癌
噴門部の亜全周性の早期胃癌

著作

  • 「食道表在癌内視鏡治療の進歩」Modern Physician 34(5):459-463 2014
  • 「Non‒exposed endoscopic wall‒inversion surgery(NEWS)にて治療した潰瘍合併穹窿部早期胃癌の1例」 ENDOSCOPIC FORUM for digestive disease Volume 30, Issue 1, 21 - 26 (2014)
  • 「食道原発悪性黒色腫」消化器内視鏡(0915-3217)26巻10号 Page1616-1617
  • 「胃アミロイドーシス」消化器内視鏡 28巻8号 Page1284-1285
  • 「エロモナス腸炎の内視鏡像」胃と腸 53巻4号 477-479
  • 「エロモナス感染症」別冊日本臨床 領域別症候群シリーズ No.11 消化管症候群(第3版)Ⅲ -その他の消化管疾患を含めて- 110-112

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