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ENDOSCOPE CENTER

消化器内視鏡センター

苦痛の少ない、精度の高い検査・治療が行えるよう最善を尽くしていきます。

内視鏡検査の主な目的はがんの発見です。早期に見つけることできれば、体の負担が少なく後遺症のリスクが低い内視鏡治療を行えます。小さな早期がんでも見逃さないことがないよう内視鏡検査しております。
また、ご希望に応じ積極的に麻酔薬(鎮静薬)を使用し、苦痛やご負担が軽くなるような検査体制を整えています。

診療の高度化・専門化に対応できる消化器内視鏡センターへ

近年の内視鏡診療は専門化が進んでおり、熟練した専従スタッフが必要になってきました。当院では看護師・臨床工学技士・検査技師を中心とした内視鏡技師のチームをつくり、より高度な内視鏡診療ができるよう、消化器内視鏡センターを立ち上げました。これまで以上に高い水準で、数多くの検査・治療を行える体制構築を進めています。

内視鏡の進歩

近年、内視鏡やその周辺機器のめざましい発達に伴い、内視鏡の役割が大きく変わりました。従来の内視鏡は主に病気の診断を行うものでありましたが、拡大内視鏡・NBI(狭帯域光観察)など新しい技術が導入されて診断精度が向上した上に、多彩な処置具も開発され、治療の領域にまで幅広く内視鏡が応用される時代となりました。
内視鏡手術は外科手術に匹敵する効果がある上に、苦痛が少なく、入院期間が短く、術後の機能障害が少ないというメリットがあります。それらを代表するのが内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)などです。

内視鏡技師の役割

内視鏡領域の進歩に伴って、以前では考えられなかったような高度な医療を患者さんに提供することができるようになる一方で、現場の業務内容は益々複雑化しています。医師以外のスタッフにも専門的な知識や、高い安全管理能力が求められるようになったため、昨今では内視鏡診療の基盤となる優秀な内視鏡技師が十分に在籍しているかどうかで、その内視鏡室のチーム力が大きく変わってくると言われています。内視鏡技師は、内視鏡診療の補助全般におけるエキスパートであり、その業務内容は前処置、内視鏡の洗浄・消毒、機器管理、検査・治療の介助など多岐に渡ります。

当院での内視鏡検査の特長

オーダーメイド内視鏡検査

内視鏡検査の様々な工夫を組み合わせることで、苦痛の少ない精度の高い検査を行うことができます。しかし鎮静剤の効きやすさ・鼻腔の形態・癌の発生リスク・腸の長さや癒着の有無・普段の便通などは個人差が大きく、どのような工夫を組み合わせのがよいかは人それぞれです。当院消化器内視鏡センターでは内視鏡検査の結果を詳細に記録し、それにより個々人にあわせた最適なセッティングを提案し、苦痛の少ない精度の高い検査を行うようこころがけています。

麻酔薬(鎮静薬)を積極的に使用しています

ご希望があれば、胃カメラ・大腸カメラともに麻酔薬(鎮静薬)を使用することができます。

胃カメラ・大腸カメラを同時に受けられます

多くの病院では胃カメラ・大腸カメラ検査を別の日に行うことが多いですが、当院では以前から同日に施行が可能です。同時検査は身体への負担も減らせるのでお勧めです。

大腸カメラ検査と同時にポリープ切除します

大腸カメラ検査でポリープが見つかった場合、そのままポリープの切除術を日帰りで受けることができます。

ただし、出血の危険性を考慮して、ポリープの大きさや数には限度があります。大きかったり数が多い場合は後日入院して切除術を受けていただきます。

拡大内視鏡により検査精度を高めます

近年内視鏡機器が進歩により、病気の場所を拡大して詳しく観察することが可能になりました。これにより、がんの診断精度が飛躍的に向上しています。

超細径大腸内視鏡を用いて苦痛のない検査をこころがけています。

大腸内視鏡を挿入する際に痛みがでることがあり、通常でも細い内視鏡を用いて苦痛がないように検査をしていますが、特に痛みが出やすい方にはさらに細い超細径内視鏡を用い、苦痛が軽減されるよう心がけています。以前検査の際痛みが強かった方など是非お試しください。

内視鏡治療の特長

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

内視鏡や高周波装置など周辺機器の進歩により、近年早期癌が手術をせずに内視鏡で切除できるようになりました。これにより体の負担が小さく後遺症のないがんの治療ができるようになっています。
当院ではこの治療の最先端の病院で500例以上の経験を積んだ医師もおり、積極的に行っています。食道・胃・大腸すべての臓器で、巨大病変や潰瘍瘢痕上の病変など治療が困難な病気も含め、大学病院やがんセンターと同レベルの治療を行うことができます。

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)とは

内視鏡的逆流防止粘膜切除術(ARMS)

逆流性食道炎は、胃液が食道に逆流することで生じ、胸焼けやこみ上げなどの不快な症状が起こります。治療の第一選択は胃酸を抑える薬ですが、この薬が効きにくかったり内服をやめると再発してしまう難治性の方もいらっしゃいます。効果が乏しい場合、これまでは外科手術が推奨されてきましたが、近年内視鏡により逆流防止を行う内視鏡的逆流防止粘膜切除術(Anti-reflux mucosectomy:ARMS)という治療法が開発されました。ARMSは緩んだ噴門部を内視鏡的に再形成することにより逆流を防止する治療法です。内視鏡的を用いて緩んだ噴門部の粘膜を切除し人工的に潰瘍を形成します。形成された潰瘍が治癒する過程で瘢痕収縮することにより、緩んだ噴門部が引き締められます。

ARMSの流れ

内視鏡を用いて緩んだ噴門部の粘膜を切除し人工的に潰瘍を形成します。治療効果は、人工的な潰瘍が治癒し、瘢痕収縮した後(術後約1、2か月)に現れます。

  1. 切除する範囲の粘膜下層に薬剤を注入し盛り上げます。
  2. ワイヤーや電気メスを使いその粘膜を切除します。
  3. 形成された潰瘍が治癒する過程で瘢痕収縮することにより、緩んだ噴門部が引き締められます。
2. ワイヤーでしめて粘膜を切除する

ARMSの治療効果

治療効果については、患者さんの約半数が胃酸を抑える薬の服用を中止することができました。残る半数の患者さんも薬の服用を続けていますが、ほとんどのケースで症状が改善されています。この改善効果は持続的であり、3年以上経過しても改善が続く患者さんが多く報告されています。
ただし、逆に噴門が締まりすぎて一過性に狭窄をきたしたりARMSの治療効果が不十分であり、薬の継続や追加治療が必要になることもあります。
どのような治療法(薬物治療、内視鏡治療、外科手術)でも、うまく治療効果が上がらない場合はあり得ますが、その場合も症状が少しでも緩和するよう総合的に対応します。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)

ERCPを行い、胆管・膵管の精査、総胆管結石の除去術やステント留置術を行うことができます。これにより胆管炎や閉塞性黄疸の精査・加療ができます。

診療実績

2022年度

疾患名 件数
上部内視鏡検査 7381件
大腸内視鏡検査 1629件
大腸ポリープ切除術 472件
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 85件
内視鏡的膵胆管造影(ERCP) 63件
内視鏡的止血術(上部) 71件
内視鏡的止血術(下部) 11件
内視鏡的胃瘻造設術 26件
消化管ステント 3件

件数の推移

パンフレット

休診代診

現在、予定されている休診はありません。

夜間・休日診療のご案内

外来担当医師

消化器内科 部長、消化器内視鏡センター長
森主 達夫 (Tatsuo Morinushi)

消化器内科、消化器内視鏡センター、消化器センター、総合内科

ドクターズ・インタビュー

専門・得意分野 内科、消化器内科、消化器内視鏡
略歴 平成19年3月 東京医科歯科大学医学部 卒業
資格・免許 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医・指導医
所属学会など 日本内科学会
日本消化器学会
日本消化器内視鏡学会

ストーリー

1982年生まれ。出身は神戸です。東京医科歯科大学卒業後、東京医科歯科大学の消化器内科に入局。神奈川県の中核病院で消化器内科医として4年間研修し、消化器内科の基礎を勉強する中、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)に出会いました。

ESD(早期消化癌の内視鏡切除術)との出会いと決意

手術と違い、がんを中からくりぬいて切除するので、臓器が温存され後遺症がない。しかしながら、高度な診断や技術を必要するため病院や施行医によってかなりレベルの差があり、本来内視鏡で切除できるのに、診断や技術が未熟で手術に回るような症例を目の当たりにしてきました。内視鏡で後遺症なく切除してあげられるものは困難例であろうが自分で切除してあげられるようになるため、ESDの専門病院で研修することを決意しました。

ESDで全国的に有名な佐久総合病院(佐久医療センター)に移り、ESDの基礎を勉強しました。

実践経験による研鑽を重ねる

千葉房総半島の中核病院である亀田総合病院では、年間で300例のESD症例数があり、佐久総合病院で学んだことを実践し、症例を多数経験、学会・論文発表も多数行いました。

大腸ESDはESDの中でも高度な技術を要し、その大腸ESDの症例数が日本一多いNTT東日本関東病院では、大腸ESDの技術を学びました。

困難症例と正確性への挑戦

故郷である神戸に帰ってからも、県内でも有数のESD件数をこなし、全周性の病変や瘢痕上の病変など困難例も行いました。また内視鏡によるESDと腹腔鏡下での切除を併用するLECSも施行しています。

困難例含めこれまで500例以上経験してきました。100%近い一括切除率、1%未満の穿孔率(一般的には3~5%)で、安全性を保ちながら確実性の高い治療をこころがけています。これまでの経験を活かし、ここ神戸で苦痛のない質の高い内視鏡検査・治療で患者様に貢献できるよう頑張りたいと思います。

9cm大の早期大腸癌
噴門部の亜全周性の早期胃癌

著作

  • 「食道表在癌内視鏡治療の進歩」Modern Physician 34(5):459-463 2014
  • 「Non‒exposed endoscopic wall‒inversion surgery(NEWS)にて治療した潰瘍合併穹窿部早期胃癌の1例」 ENDOSCOPIC FORUM for digestive disease Volume 30, Issue 1, 21 - 26 (2014)
  • 「食道原発悪性黒色腫」消化器内視鏡(0915-3217)26巻10号 Page1616-1617
  • 「胃アミロイドーシス」消化器内視鏡 28巻8号 Page1284-1285
  • 「エロモナス腸炎の内視鏡像」胃と腸 53巻4号 477-479
  • 「エロモナス感染症」別冊日本臨床 領域別症候群シリーズ No.11 消化管症候群(第3版)Ⅲ -その他の消化管疾患を含めて- 110-112

石原 祐史 (Yuji Ishihara)

消化器内科、消化器内視鏡センター

専門・得意分野 消化器内科
資格・免許 日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器內視鏡学会専門医
所属学会など 日本肝臓学会

山本 修平 (Shuhei Yamamoto)

消化器内科、消化器内視鏡センター、消化器センター、総合内科

略歴 平成24年 大阪医科大学医学部卒業
平成24年 順天堂病院順天堂大学附属順天堂医院(初期研修)
資格・免許 日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医

髙島 真理 (Mari Takashima)

消化器内視鏡センター、健康管理センター、消化器内科、総合内科

専門・得意分野 消化器内科
略歴 平成13年 鳥取大学医学部医学科卒業
資格・免許 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会肝臓専門医・指導医

大石 崇史 ( Takashi Ohishi)

消化器内科、消化器内視鏡センター、総合内科

略歴 平成21年 帝京大学医学部・医学科卒業
平成21年 市立伊丹病院初期研修医
資格・免許 日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本ヘリコバクター学会感染症認定医
上部消化管内視鏡スクリーニング認定医
大腸内視鏡スクリーニング認定医

内科部長
福島 豊実 ( Toyomi Fukushima)

消化器内科、消化器内視鏡センター、総合内科

専門・得意分野 内科、消化器内科、消化器内視鏡
略歴 平成1年5月 米国カリフォルニア州ロマリンダ大学医学部 卒業(MD)
資格・免許 米国内科専門医(Diplomate in Internal Medicine)
米国消化器内科専門医(Diplomate in Gastroenterology)
米国公衆衛生学修士(MPH)
米国内科学会上級会員(FACP)
日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本ヘリコバクター学会H.pylori(ピロリ菌)|感染症認定医
日本肝臓学会肝臓専門医
日本病態栄養学会専門医
日本プライマリ―ケア連合学会認定・指導医
日本病院総合診療医学会認定医
日本人間ドック学会専門医
日本医師会認定産業医
インフェクションコントロールドクター(ICD)
米国心臓協会(AHA)BLS・ACLSインストラクター
日本救急医学会ICLSインストラクター
日本内科学会JMECCインストラクター
日本摂食嚥下リハビリ―テーション学会認定士
兵庫医科大学医学部非常勤講師

総合診療科 部長
皆田 睦子 (Mutuko Minata )

総合診療科、消化器内科、消化器内視鏡センター

専門・得意分野 一般内科、消化器内科、腫瘍内科
略歴 平成2年3月 大阪医科大学 医学部 卒業
平成2年5月 京都大学医学部付属病院研修医
平成3年4月 静岡県立総合病院研修医
資格・免許 日本消化器內視鏡学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本肝臓学会肝臓専門医
日本医師会認定産業医
京都大学医学博士

院長補佐、外科部長
西岡 昭彦 (Akihiko Nishioka)

外科、消化器内視鏡センター

常に進歩し、患者様に優しく確実な治療を目指します。

専門・得意分野 消化器外科 内視鏡外科 胆膵外科 
乳腺外科 ヘルニア 消化器内視鏡検査
略歴 昭和57年 兵庫医科大学卒業 
資格・免許 日本外科学会専門医
日本消化器外科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
近畿外科学会評議委員
兵庫医科大学臨床教育教授
兵庫医科大学第二外科講座非常勤講師
マンモグラフィ読影認定医

医局長、外科医長
小林 政義 (Masayoshi Kobayashi)

消化器内視鏡センター、消化器センター、外科

ドクターズ・インタビュー

略歴 平成18年 兵庫医科大学医学部 卒業
平成20年 兵庫医科大学病院 初期研修医
資格・免許 医学博士

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