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〈外科〉中島幸一 医師

ドクターズ・インタビュー〈外科〉中島幸一 医師

ヘルニアのことをもっと知ってもらい、
患者さまの生活・背景を考えた治療を提供する。

私は、これまで30年間、こだわりを持ってヘルニア診療を行ってきました。現代はヘルニアの患者さまは非常に多くいますが、治療法はさまざまで、複数の術式が存在します。それぞれメリット、デメリットを理解し、患者さまの背景にあわせたベストの治療法をしたいという想いで、新たに専門外来としてヘルニア外来を開設しました。

最も多い鼠経ヘルニア。50代から60代も要注意

鼠径ヘルニアとは、鼠径部と呼ばれる足の付け根部分から、腸などの内臓が飛び出してしまう病気(いわゆる脱腸)です。鼠径ヘルニアは先天性のものと後天性のものがあります。幼児期までが一つのピークで、その後は患者さまが減りますが、50~60代ぐらいから再び増えてきます。高齢になってから鼠経ヘルニアを発症する理由は、筋膜が脆弱化してくることが原因だといわれています。鼠径ヘルニアは男性に多いのが特徴です。
実は鼠径ヘルニアができる穴(腸が飛び出してしまう所)は、胎生期に精巣が下りてくるルートとなっており、もともと弱い部分なのです。成長とともにその穴は閉じますが、何らかの問題があると閉じません。これが先天性です。一方、成長とともに閉じたけれども、加齢により弱って開いてきてしまうのが、高齢者におこる鼠径ヘルニア(後天性)です。

術後の負担が少ない腹腔鏡手術「テップ法」

鼠径ヘルニアの手術には、大きく鼠径部切開法と腹腔鏡手術があり、腹腔鏡手術には「TAPP法(タップ法)」と「TEP法(テップ法)」があります。全国的に行われている数は3/4がTAPP法、1/4がTEP法です。TEP法は精密な技術を必要とするためなかなか普及せず、TEP法を行っている病院が非常に少ないのです。
TEP法は腹腔内には入らず、腹壁での操作になるため腹腔内にある腸などの臓器への影響が少なく、TAPP法に比べ合併症や、体へのダメージが少ないという利点があります。私自身の経験上から、患者さまへの負担が少ない治療としておすすめをしています。
また、最近では、日帰りで治療する医療施設が増えてきていますが、当院では術後早期の予測しがたい合併症(アレルギーなど)にも手遅れなく対応するため、術後一泊以上の入院をお勧めしています。何より患者さまに安心してお帰りいただくことが、第ーであると考えています。

多くの患者さまに負担の少ないヘルニア治療を提供したいという思いで日々精進しております。また、手術のキズが膨らむ腹壁瘢痕ヘルニア、へそが膨らむへそ(臍)ヘルニアなどの治療も行っています。ヘルニアでお悩みの方、ヘルニアについてもっと知りたい方はぜひヘルニア外来を受診してください。

医師プロフィール

副院長
中島 幸一 (Koichi Nakajima)

外科、ヘルニア外来

ドクターズ・インタビュー

専門・得意分野 消化器外科、ヘルニア 
略歴 平成2年 兵庫医科大学卒業 
平成2年 兵庫県立淡路病院 研修医 
資格・免許 日本外科学会専門医・指導医
日本消化器外科学会専門医・指導医
消化器がん外科治療認定医
日本腹部救急医学会認定医
難病指定医
マンモグラフィー読影認定医
インフェクションコントロールドクター
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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